2002年5月14日火曜日

TUM SE ACHCHA KAUN HAI

gen1971gen2002-05-13 
 本日も朝は宿でチベタンブレックファースト。それからプリティビーチョークの先にあるという映画館へインド映画観に向かう。しかし行けども行けども映画館は現れず不安になりそこらのおねえちゃんに聞くとインディアシネマはこの先だといわれる。まだ途中だったのね。で、そのとおり進むと何やらゲートの上にぼろぼろになったインド映画のポスターが貼ってあるのを発見。その奥に映画館があった。ネパール映画は明日カンチャくんと観に行く約束になってたので映画館の前に立ってるおっさんにこれはインド映画かと一応確認。チケット40ルピーを一枚買って中へ。上映作品は『TUM SE ACHCHA KAUN HAI』。場内ロビーはインドの映画館に比べて狭い。さらにインドに比べて空いてる印象。この前のバラナシの映画館もインドにしてはやけに空いてたけどね。ロビーでは上映開始を待つ客の他に犬が歩いている。スプライトを買おうとカウンターに陳列されてるのを指さしたら売店のおばちゃんは冷蔵庫からミネラルウォーターを出してくる。違う違うこれこれとまたスプライトをさすとOKと今度はコーラ。また違うとやっとスプライトを出してもらって上階へ。2階は映写室で3階が客席の上部。旧文芸坐のような作り。もっと狭いけど。で、その上階のロビーが妙にうんこ臭い。と思ったらトイレがあった。しかしだからといってにおいがもれるのはどうか。くさいので場内へ。全くライトがついておらず足場が見えず転んだりしそうでちと恐い。すり足でなんとか客席へ。目が慣れてくる。それから数分後、正午になったあたりでようやく場内にライト点灯。音楽も流れる。するとすぐに上映開始。しかし先ほどから流れる音楽は止まない。映画のBGMでもない。するといきなり音楽が止まって映画の音声に切り替わる。いよいよ上映がきちんと開始。バラナシの映画館よりもしっかりと場内が暗くなり、今まで入ったインドのどの映画館よりも映写機の光量が強く映像かなりくっきり。ここはネパールだけど。
 
 映画はいきなり砂漠でのミュージカルシーンから始まる。そしてやけにシーク教徒が出てくる。これはラージャスターンでの話か? と思ったらそのとおりジャイサルメールでした。7年前の初めてのインド旅行で行ったきりであるがそのうちまた行きたいなあ。で、そのジャイサルメールでツアーバス運転手をやってる青年と、ツアーの添乗員でやってきたと思しき(言葉わかんないからあくまで推測です)ものすげえ美人さんが、この手のインド映画ではありがちな、初めはまずちょっといがみあいながら、ふと青年が奏でた歌がきっかけで打ち解けていくという展開。そしてこの青年、今はバス運転手をやってはいるが、実はミュージックスターになりたい。で、それはおいといて、彼と彼女はちょっといい感じになりそうだったのだが、彼が住むのはジャイサルメール。彼女はよそから来た、別に帰るところのある人。別れ。ある晩彼(名前はアージュン)は自分がスターになってる夢を見る。そして深夜に目覚め、今の自分はもうスターへの道は歩いていないと気付き泣きながらギターを火にくべる。が、父がすかさず炎の中からギターを取り上げ、息子の夢をかなえるべきであると考え、息子の都会(ボンベイ?)行きを許諾。アージュンはついに都会へ(ジャイサルメールもそれなりの都会ではないのかというのは無視)。そこでばったり添乗員の彼女と再会。あれよあれよという間に彼女一家のところに居候することに。そして音楽活動のため毎日いろんなスタジオをまわるが相手にされない。途中ディスコ(ほんとにディスコとしかいいようのない場所)で不良(ほんとに不良としかいいようのない人)にからまれるヒロインの妹を助けたりして大活躍。居候先のヒロイン一家での人気も大幅アップ。ちなみにこのディスコの格闘シーンで彼のケリが最初に炸裂した瞬間、映画館内では拍手喝采。しかしいくらスタジオ巡りをしてもさっぱり駄目。門前払いされた彼はストリートパフォーマンスを行うことに。その準備中とおりかかったヒロインほどではない程度のいい女に何やら馬鹿にされるが、いざパフォーマンスをはじめると大盛況。さっきのいい女も戻ってきて絶賛。そして運のいいことに、なんと彼女は業界にコネのある大金持ちの娘だった! 彼女のおかげでアージュンはついにプロデビュー。大人気となる。やがていい女はアージュンのことが気にかかるように。だがアージュン自身がほの字だったのはやはりヒロイン。それに気付いたいい女は銃を持ち出しアージュンに向ける。すんでの所でかわし、アージュンは彼女を改心させる。と思ったら、振り向くとすでに彼女はいず、山道を自動車で暴走。そのまま谷底へ転落していった。時は経ちそれから一年後。インドのミュージックアワードでグランプリを手にしているアージュン。受賞の場で感謝の意を表す彼、その姿はテレビでも中継されており、車椅子に座って虚ろな目をしたいい女がじっとみつめていた。ジ・エンド。と、物語の力点がラスト近くからちと違う方向へ移動してしまう映画ではあるが、しかし歌あり踊りあり(インド映画なら当たり前だが)、しかも豪華だし(これもインド映画なら当たり前か)、そうでないドラマ部分でも演出が洗練されており(これは結構珍しいと思う)、例えば『ムトゥ』のようなミュージカル以外はただ撮ってるだけといったようなことは全くないのであった。少なくとも俺はバラナシでみた『16 December』よりずっと面白かった。しかし上映環境に難ありで、観てる最中ガキが数名場内を歩き回って喋ってたりしてうるさいのね。しかも実は彼らは客ではなく、休憩時間には売り子に変身するのである。つまりこの映画館の従業員なのである。そいつらが上映中にうるさいんだから困ったもんだ。

 映画館を出てダムサイド方面へ。その途中カメラの肩ひもが切れ、カメラが地面に激突。傷はつくが壊れはしなかった。まあ長年酷使してるからな。ひもが切れてもおかしくありません。で、マウント富士MOMOレストランで唐揚げ定食を注文。この店も例年はオフシーズンでも日に20人くらいは客がいたというが、今年はやはり情勢が悪いせいで日に2?3人来ればいい方だという。ところでこのレストランの前で、生後1?2日程度の猫がにゃーにゃー鳴いていた。母猫は昨日この辺りを歩いていたというが今はいない。ほっとくと死にそうなのでなんとかしたいとついつい手を出してしまい水を与えたりしたのだが、子猫が全然落ち着かない。そうこうするうちに飯が出てきたので猫を隣の空き地に置いて飯。しばらくすると鳴き声が聞こえなくなり、みると姿もない。きっと何とかなるだろうと期待したいが下手に手を出したのが悪いことにならなければいいんだが。生まれたばかりのを母猫はほったらかさないで欲しいもんである。飯は米はともかくとしてそれなりにうまい。アニールモモよりも安いし。宿へ戻る。それからネット。そうこうしてるうちに夜になり、宿の通りの角にある店で肉を焼いててうまそうなのでそこで夕飯。宿に戻ってシャワー。寝る。

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