2012年12月25日火曜日

2012/7/3-2012/7/11

●7月3日(火)
 夕刊ガジェット通信にて担当記事「kindle日本発売決定! 何度目かの電子書籍元年到来か?」公開。

 文藝別冊『いしいひさいち 仁義なきお笑い』購入。本人が表にほぼでてこないいしいひさいちへのインタビューが巻頭に載っているのだが、これがすべて本人がでっちあげた本人直筆原稿で、それでいておそらく本音っぽいところが多々あって非常におもしろい。自分の漫画がわかりづらいという人たちへの皮肉とか。
いしいひさいち  仁義なきお笑い (文藝別冊/KAWADE夢ムック)

●7月4日(水)
 高階秀爾『続 名画を見る眼』読む。何度も書いているが絵画の楽しみ方がいまいちわからずそのヒントのために読み、読んでる間はおもしろいのだが読んだ先から忘れる。あれこれ理屈を考えるよりも美術館にもうちょっと頻繁に足を運ぶようにしているうちにどうにかなるんだとは思いますが。
続 名画を見る眼 (岩波新書 青版 E-65)

 マリア・スサーナ アッシ、サイモン・コリアー『ピアソラ その生涯と音楽』読了。バンドネオン奏者ピアソラのアルバムを何枚か聴いて良かったので本人を知るために読んでみた一冊。大変膨大な量のエピソードが収められていて読み応えはたっぷりだが、そもそもピアソラを知らないで読むと膨大すぎてきつい。もうちょっとおおまかに本人のイメージができてから読むと興味深く読めたんじゃないかと思います。
ピアソラ―その生涯と音楽 (叢書・20世紀の芸術と文学) 
●7月6日(金)
 友人に誘われパルコ劇場で三谷版『桜の園』。チェーホフの名作を三谷幸喜が演出。チェーホフって読んだことなく舞台も観たことなく、ニキータ・ミハルコフが監督した2本の映画『機械じかけのピアノのための未完成の戯曲』と『黒い瞳』を過去に観たぐらい、かつ両者ともぼんやりとしか覚えていない、というかほとんど忘却。あとはチェーホフの『桜の園』を上演する高校演劇部の姿を描いた吉田秋生の漫画を原作とした映画『櫻の園』の1990年版を観ているが、そっちはさらに忘れてます。で、そのまま特にチェーホフについて下調べもせず観劇。えーとチェーホフって確かに「喜劇」にカテゴライズされてると思うんだが、三谷幸喜がこだわりをもっているところの「喜劇」とは別の意味の喜劇なんだと思うのね。なのにこの舞台はその両者をごっちゃにしたまま、しかし全く両者の要素が溶け合わずに進行するので、観ていてなんだか微妙な気持ちになりました。
 が、問題はそんなことではない。主演が浅丘ルリ子であり、であれば彼女が登場することで舞台の空気が一変するぐらいであって欲しいのだが、困ったことに浅丘ルリ子は他の俳優陣に溶け込んでしまって、せっかくの大物なのにその感じがあんまり出ないのね。三谷幸喜こだわりの喜劇要素じゃなく、原作がそうカテゴライズされた「喜劇」にこだわっての、変な独自性を入れない演出をすべきだったのではないか。だったら三谷幸喜である必要性もないんだろうけど。
IMG_1464
桜の園 (岩波文庫) 機械じかけのピアノのための未完成の戯曲 [DVD] 黒い瞳 [DVD] 櫻の園【HDリマスター版】 [DVD]

●7月8日(日)
 勝新太郎『俺、勝新太郎』読了。勝新の自伝エッセイ。淋病の治療で「焼け火箸をチンポコの先に突っ込まれた」などと想像するだけで地獄のような描写があるが全体的に呑気で楽しげ。でも吉田豪が解説に書いているように『座頭市』(1989年の勝新座頭市最終作)での事故や大麻パンツ事件等に一切触れていないのは物足りない。あと石原裕次郎との交流は嬉しそうに書いてるけど、『悪名』シリーズでずっと共演してた田宮二郎のことは見放しちゃったっぽいのがなんだかさみしい感じ。
俺、勝新太郎 (廣済堂文庫) 座頭市(デジタルリマスター版) [DVD] 悪名 DVD-BOX 
●7月9日(月)
 夕刊ガジェット通信にて担当記事「ちゃんと謝れるアノニマスに学ぶ、味方を増やせる抗議行動」公開。

●7月10日(火)
 北上次郎、大森望『読むのが怖い! 帰ってきた書評漫才 激闘編』読了。シリーズ二冊目。相変わらず自分の好みをゴリ押しする北上次郎と、相手にあわせるふりしてコントロールしてる大森望やりとりが楽しいが、あとがきにあるように北上次郎も相手を慮るようになりつつある様子。もっと身勝手でいいのに。むしろp257の『象の背中』についての「くだらないドリーム小説」という大森評の切り捨て方が北上発言以上の痛快さ。
読むのが怖い!―帰ってきた書評漫才 激闘編 象の背中 (扶桑社文庫)

 日本映画専門チャンネルで『座頭市二段斬り』鑑賞。シリーズ10作目。初見か再見かわからない、さほどおもしろいわけではない時期の作品のような気がするが、なにせ観てからこれを書いている間に5か月半ほどのブランクがあるのでさらにわかりません。座頭市って好きなんだけど初期数本と最終作以外って印象薄いのよね。全部観てるわけでもないが。ちなみに鑑賞時に「三木のり平の娘役がオードリー若林に似てるなあとどうでもいいことを思ってたら子役時代の小林幸子だった」なんてメモを残してました。
 そういえば平岡正明は『座頭市 勝新太郎全体論』の中で、本作に登場する三木のり平と『座頭市』(勝新版最終作)に登場する三木のり平を同一キャラクターとして扱っているのだが、データベースサイトなんかでは両作での三木のり平の役名って違うのよね(『二段斬り』では井戸尻軍十郎、『座頭市』では儀助)。『座頭市』作中では三木のり平の役名が呼ばれることがなかった気もするので、同一キャラクターと見なしてもいいと思いますが。
座頭市二段斬り [DVD] 座頭市―勝新太郎全体論 
 川勝正幸編『勝新図鑑 絵になる男・勝新太郎のすべて』読む。読むというか、ポスターやスチールがメインなので眺めると書いた方が正しいか。タイトルどおり絵になる男だなあと思うが、個人的には勝新というより座頭市が好きなんだよな、と気付く。あと巻末の謝辞に「奥村玉緒(勝プロモーション)a.k.a 中村玉緒」とあるのにちょっとぐっときた。

●7月11日(水)
 ユナイテッドシネマとしまえんで『アメイジング・スパイダーマン』鑑賞。3D版。IMAX初体験。サム・ライミ版三部作のような鬱屈感がないのは物足りないが、ヒロインのかわいさはこっちの方が圧倒的に上なのでOKです。ということはおそらく誰もが思うことでしょう。なおIMAXといっても視界全部を覆う大きさとかじゃなかったのが残念。画面がクリアということも確かに重要だが、視界全部がスクリーンっていうIMAXを体験したいところです。以前新宿にあったIMAXシアターって一度も足を運ばないうちになくなっちゃったのよね。関東では千葉まで行かないとそういう劇場はないらしいので諦める。
アメイジング・スパイダーマンTM IN 3D [Blu-ray] 
 帰りに近所の中華定食屋に入ると安倍夜郎『深夜食堂』9巻がカウンターにあったので食事しながら読む。ドラマ版は全く観てないが原作は『ビッグコミックオリジナル』でしばしば読んでいたので安心して読める、が、少なめのページでさらっと読めるからいいのであって、まとめて一冊まるまる短時間で読むにはあんまり向いてないかもね、この漫画。むしろ本棚に入れておいてときどき拾い読みするといいかもしれません。
深夜食堂 9 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)