2012年6月12日火曜日

がっかりザッカー

●5月16日(水)
 小沼純一『ピアソラ』(河出書房新社)読了。最近図書館でアストル・ピアソラのCDをあれこれ借りて聴いている流れで読んだのだが、大まかにピアソラをとらえる部分はいいんだけど、冒頭の著者によるピアソラ論がなんとも気取りすぎな気がしてなりません。全編その気取りが徹底されているのならそれはそれでいいんだけど、解説に該当する章も半分ぐらいあり、ピアソラについてどうこうというより本としてのバランスが微妙だと思う。しかし他のピアソラ本に比べると薄くて解説の章の内容が他より手頃だとは思うので、ざっと把握したいならこの本の一部を読むと良いかと思われる。
 ちなみに私は『12モンキーズ』のえらくかっこいいオープニング曲がピアソラの「プンタ・デル・エステ組曲」だと割と最近知ってあのかっこよさを味わいたくてCDに手を伸ばしたのだが(正確には『12モンキーズ』で使用されているのは同曲の冒頭を引用したポール・バックマスターによるアレンジ版)、「プンタ・デル・エステ組曲」全部が入ってるCDが我が自治体の図書館にはないのよね。ピアソラがかかわった映画音楽を収録した『ピアソラ オリジナルサントラ集』に第一楽章だけ入ってるけど、ちゃんと全曲聴きたいのです。ならば買うべきだということはわかってはいるんです。
ピアソラ ピアソラ オリジナルサントラ集
12モンキーズ [Blu-ray] 12モンキーズ [DVD]



●5月17日(木)
 石川真之介『マンガ量子力学』(講談社ブルーバックス)読む。先日ヒストリーチャンネルでたまたま「万物と無の謎に挑む アルカリーリ教授のサイエンス・レッスン」を見て、よく理解できないながらもおもしろかったので、量子力学ってなんなのかと入門書を探して読んでみた。が、うーん、ぼんやりわかったようなわかんないような、結局のところこの入門書を理解するための前提となる最低限の知識をまず持っていないなあ俺は、というところで、やっぱりきちんとは理解できないのであった。あと、入門書としてはがんばってるとは思うけど、肝心のマンガがあまりうまくないのが残念でありました。理解できないのはマンガのせいじゃなくて俺の前提知識がなさすぎるのが原因だと思うけど。
マンガ 量子力学―この世を支配する奇妙な法則 (ブルーバックス)

 藤沢周『ブエノスアイレス午前零時』(河出書房新社)。これもピアソラの流れでタイトルだけで手に取った本。表題作は田舎の温泉宿を舞台に諦観していた主人公が感覚的にわかりやすいハードボイルド精神を発揮するまでのお話。しかしこの作品、芥川賞受賞作なのよね。そういうブンガク的側面もあるといえばあるけど、芥川賞って(完全に俺の偏見だけど)もっとこう、なんというか、違うモノのような気がする。絶対間違いなく俺の偏見だと思うけど。
 むしろ後半に収録されている「屋上」の方が芥川賞受賞作だよと言われたらそうかと思っちゃいそうな作品だと思う。ラスト近くで主人公が貧血を起こして倒れる場面の描写は、小学生時代に一度だけ朝礼の最中に貧血で倒れそうになった経験のある俺としてはかなり真に迫った文章だと思いました。
ブエノスアイレス午前零時

 DVDで『最終突撃取材計画!』鑑賞。『フライングハイ』の、『裸の銃を持つ男』の、そして何より『トップ・シークレット』の、画面のどこかしらで物語文法を無視してひたすらバカなことが行われているタイプのコメディ映画の生みの親ZAZの一員デヴィッド・ザッカーの最新作ということで、それなりに楽しみにしつつ(でも『裸の銃を持つ男2 1/2』のつまらなさにがっかりしてからさほど期待はせずに)観た。観たのだが、『裸の銃を持つ男2 1/2』をはるかに上回るがっかり。笑えるギャグがあるかどうかという点でいえば『裸2』よりはマシなんだけど(その後の『ベースケットボール 裸の球を持つ男』とはだいたい同じレベル)、とにかくがっかりしてしまったのは、この映画、もう露骨にアメリカ共和党寄りの思想に貫かれた作品なのである。つまりはブッシュ的なわけである。
 もちろん誰がどういう思想を持っていようと自由なんだけど、デヴィッド・ザッカーの作品や、ジェリー・ザッカーやジム・エイブラハムズと一緒に撮っていた作品群が好きなのは、そのくっだらないギャグ自体が好きなのが一番ではあるけど、同時に硬直した考え方やモノの見方を破壊してくれるバカバカしさに共感するところがあったのも大きな理由のひとつなのです。というか、そう思い込んでいたのです。なのにさー、この映画、右寄り思想を持ちあげといて最後は落としてくれるんでしょ?なんて思ってたら、最後の最後まで排他的思想に満ちたアメリカ万歳映画なのである。なんだこりゃ。
 同じアメリカ万歳コメディであっても、例えばジョン・ランディスがいいのは、多様性を受け入れるアメリカ万歳という博愛思想が見えるし、そうでないことに対する怒りが見え隠れするところだ。例えば『ブルース・ブラザース』は徹底的に陽性なコメディながら、差別主義者のナチだけは劇中で死を迎える。しかも彼らが確実に忌み嫌うであろう仲間からのゲイ告白という嫌がらせ付き。不寛容に対してだけは絶対に寛容でいられない。
 こういう視点があるからこそ俺はアメリカンコメディが好きなんだろうけど、しかしデヴィッド・ザッカーが正反対の思想を打ち出しちゃってもう超がっかり。
 だからといって彼らの作品で最も好きだった『トップ・シークレット』まで駄作扱いするつもりはないけど、でもなあ、俺が気付いてないだけで実は排他思想に満ちた映画だったりしてな。『裸の銃を持つ男』のラスト、野球のスタジアムで事件解決後、観客が隣の席の人々と宗教人種を超えて抱き合う場面とか、ギャグなのに感動的だったんだけどな。
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2012年6月11日月曜日

相続候補が見当たらない

先週からスタートした新案件、ウェブマガジン『夕刊ガジェット通信』での2本目の記事が本日公開されました。

「ログイン相続人」がネット時代にますます必要!?

 記事中には書いてないけど、親族を亡くされた方がその人が管理していたブログデータを保存したいんだけどログインできず消されちゃうんじゃないかと気にしているという話を聞いたり、私自身もあるSNSにアクセスするとたまに友人一覧のところに亡くなった友人が表示されることがあり、今後こういうケースはほんとに増えるよな。「戦いはこれからだ!」的なモノでもいいからケリをつけてあげたいとも思うが余計なお世話かしら。自分のを託す相手を探すのが先かしら。

 なお、前回も今回も当ブログからは『夕刊ガジェット通信』へのリンクしかしておりませんが、同記事は(本家の)『ガジェット通信』や、他にも『NEWSポストセブン』『Searchina』『リアルライブ』『タクスポ』『@niftyニュース』などにも配信されております。どうぞよろしく。

 というところで、さて、来週のネタ探しをしなければ。

2012年6月4日月曜日

新案件スタートのお知らせ

お仕事報告。ツイッターにも書きましたが、ウェブマガジン『夕刊ガジェット通信』にライター参加することになりました。

 本日公開の初回記事は

Facebookの招待メールをあなたも送っているかもしれない?

 です。基本的にはちょっとしたニュースについてあれこれ書くことになるかと思いますが、その辺は状況次第で。一応週一回の予定ですがこれも状況次第で。

 ちなみに5月2日のところで書いていた新案件ってのがこれのことです。昨年3月で担当終了した「こちら文化情報検究所」以来のコラム系仕事。気合い入れて書きますので以後どうぞよろしく。