2012年12月25日火曜日

2012/7/3-2012/7/11

●7月3日(火)
 夕刊ガジェット通信にて担当記事「kindle日本発売決定! 何度目かの電子書籍元年到来か?」公開。

 文藝別冊『いしいひさいち 仁義なきお笑い』購入。本人が表にほぼでてこないいしいひさいちへのインタビューが巻頭に載っているのだが、これがすべて本人がでっちあげた本人直筆原稿で、それでいておそらく本音っぽいところが多々あって非常におもしろい。自分の漫画がわかりづらいという人たちへの皮肉とか。
いしいひさいち  仁義なきお笑い (文藝別冊/KAWADE夢ムック)

●7月4日(水)
 高階秀爾『続 名画を見る眼』読む。何度も書いているが絵画の楽しみ方がいまいちわからずそのヒントのために読み、読んでる間はおもしろいのだが読んだ先から忘れる。あれこれ理屈を考えるよりも美術館にもうちょっと頻繁に足を運ぶようにしているうちにどうにかなるんだとは思いますが。
続 名画を見る眼 (岩波新書 青版 E-65)

 マリア・スサーナ アッシ、サイモン・コリアー『ピアソラ その生涯と音楽』読了。バンドネオン奏者ピアソラのアルバムを何枚か聴いて良かったので本人を知るために読んでみた一冊。大変膨大な量のエピソードが収められていて読み応えはたっぷりだが、そもそもピアソラを知らないで読むと膨大すぎてきつい。もうちょっとおおまかに本人のイメージができてから読むと興味深く読めたんじゃないかと思います。
ピアソラ―その生涯と音楽 (叢書・20世紀の芸術と文学) 
●7月6日(金)
 友人に誘われパルコ劇場で三谷版『桜の園』。チェーホフの名作を三谷幸喜が演出。チェーホフって読んだことなく舞台も観たことなく、ニキータ・ミハルコフが監督した2本の映画『機械じかけのピアノのための未完成の戯曲』と『黒い瞳』を過去に観たぐらい、かつ両者ともぼんやりとしか覚えていない、というかほとんど忘却。あとはチェーホフの『桜の園』を上演する高校演劇部の姿を描いた吉田秋生の漫画を原作とした映画『櫻の園』の1990年版を観ているが、そっちはさらに忘れてます。で、そのまま特にチェーホフについて下調べもせず観劇。えーとチェーホフって確かに「喜劇」にカテゴライズされてると思うんだが、三谷幸喜がこだわりをもっているところの「喜劇」とは別の意味の喜劇なんだと思うのね。なのにこの舞台はその両者をごっちゃにしたまま、しかし全く両者の要素が溶け合わずに進行するので、観ていてなんだか微妙な気持ちになりました。
 が、問題はそんなことではない。主演が浅丘ルリ子であり、であれば彼女が登場することで舞台の空気が一変するぐらいであって欲しいのだが、困ったことに浅丘ルリ子は他の俳優陣に溶け込んでしまって、せっかくの大物なのにその感じがあんまり出ないのね。三谷幸喜こだわりの喜劇要素じゃなく、原作がそうカテゴライズされた「喜劇」にこだわっての、変な独自性を入れない演出をすべきだったのではないか。だったら三谷幸喜である必要性もないんだろうけど。
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桜の園 (岩波文庫) 機械じかけのピアノのための未完成の戯曲 [DVD] 黒い瞳 [DVD] 櫻の園【HDリマスター版】 [DVD]

●7月8日(日)
 勝新太郎『俺、勝新太郎』読了。勝新の自伝エッセイ。淋病の治療で「焼け火箸をチンポコの先に突っ込まれた」などと想像するだけで地獄のような描写があるが全体的に呑気で楽しげ。でも吉田豪が解説に書いているように『座頭市』(1989年の勝新座頭市最終作)での事故や大麻パンツ事件等に一切触れていないのは物足りない。あと石原裕次郎との交流は嬉しそうに書いてるけど、『悪名』シリーズでずっと共演してた田宮二郎のことは見放しちゃったっぽいのがなんだかさみしい感じ。
俺、勝新太郎 (廣済堂文庫) 座頭市(デジタルリマスター版) [DVD] 悪名 DVD-BOX 
●7月9日(月)
 夕刊ガジェット通信にて担当記事「ちゃんと謝れるアノニマスに学ぶ、味方を増やせる抗議行動」公開。

●7月10日(火)
 北上次郎、大森望『読むのが怖い! 帰ってきた書評漫才 激闘編』読了。シリーズ二冊目。相変わらず自分の好みをゴリ押しする北上次郎と、相手にあわせるふりしてコントロールしてる大森望やりとりが楽しいが、あとがきにあるように北上次郎も相手を慮るようになりつつある様子。もっと身勝手でいいのに。むしろp257の『象の背中』についての「くだらないドリーム小説」という大森評の切り捨て方が北上発言以上の痛快さ。
読むのが怖い!―帰ってきた書評漫才 激闘編 象の背中 (扶桑社文庫)

 日本映画専門チャンネルで『座頭市二段斬り』鑑賞。シリーズ10作目。初見か再見かわからない、さほどおもしろいわけではない時期の作品のような気がするが、なにせ観てからこれを書いている間に5か月半ほどのブランクがあるのでさらにわかりません。座頭市って好きなんだけど初期数本と最終作以外って印象薄いのよね。全部観てるわけでもないが。ちなみに鑑賞時に「三木のり平の娘役がオードリー若林に似てるなあとどうでもいいことを思ってたら子役時代の小林幸子だった」なんてメモを残してました。
 そういえば平岡正明は『座頭市 勝新太郎全体論』の中で、本作に登場する三木のり平と『座頭市』(勝新版最終作)に登場する三木のり平を同一キャラクターとして扱っているのだが、データベースサイトなんかでは両作での三木のり平の役名って違うのよね(『二段斬り』では井戸尻軍十郎、『座頭市』では儀助)。『座頭市』作中では三木のり平の役名が呼ばれることがなかった気もするので、同一キャラクターと見なしてもいいと思いますが。
座頭市二段斬り [DVD] 座頭市―勝新太郎全体論 
 川勝正幸編『勝新図鑑 絵になる男・勝新太郎のすべて』読む。読むというか、ポスターやスチールがメインなので眺めると書いた方が正しいか。タイトルどおり絵になる男だなあと思うが、個人的には勝新というより座頭市が好きなんだよな、と気付く。あと巻末の謝辞に「奥村玉緒(勝プロモーション)a.k.a 中村玉緒」とあるのにちょっとぐっときた。

●7月11日(水)
 ユナイテッドシネマとしまえんで『アメイジング・スパイダーマン』鑑賞。3D版。IMAX初体験。サム・ライミ版三部作のような鬱屈感がないのは物足りないが、ヒロインのかわいさはこっちの方が圧倒的に上なのでOKです。ということはおそらく誰もが思うことでしょう。なおIMAXといっても視界全部を覆う大きさとかじゃなかったのが残念。画面がクリアということも確かに重要だが、視界全部がスクリーンっていうIMAXを体験したいところです。以前新宿にあったIMAXシアターって一度も足を運ばないうちになくなっちゃったのよね。関東では千葉まで行かないとそういう劇場はないらしいので諦める。
アメイジング・スパイダーマンTM IN 3D [Blu-ray] 
 帰りに近所の中華定食屋に入ると安倍夜郎『深夜食堂』9巻がカウンターにあったので食事しながら読む。ドラマ版は全く観てないが原作は『ビッグコミックオリジナル』でしばしば読んでいたので安心して読める、が、少なめのページでさらっと読めるからいいのであって、まとめて一冊まるまる短時間で読むにはあんまり向いてないかもね、この漫画。むしろ本棚に入れておいてときどき拾い読みするといいかもしれません。
深夜食堂 9 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

2012年10月31日水曜日

蘇生

 ブログ更新今度はおよそ二ヶ月半ぶり。特にブログで記事にしておきたいことがあるわけではないのだが、せめて観たもの読んだものの感想ぐらいは書いておきたいと思います。観たり読んだりしたモノは読書メーターやら鑑賞メーターやらブクログやらメディアマーカーやらに記録してはいるが、放置しとくと内容完全に忘れちゃうので。すでにかなり忘れてるが。ということで前回の続きから。なんとまだ6月半ばの分から。

●6月14日(木)
 イマジカBSで短編「ノートブック」。Googleの宣伝っぽいアニメーション。IMDbの作品ページを覗いたら俺だけ「いいね!」ボタンを押してるのだが、良かったのだろうか。忘れた。

●6月18日(月)
 夕刊ガジェット通信にて担当記事「あだち充『MIX』スタートで電子書籍の未来を考えてみた」公開。読んでね。

 イマジカBSで短編「燃えよ、プチドラゴン」。ブルース・リー人形が散らかった部屋で暴れまわるストップモーションアニメ。前に観てた。そんなに好きじゃなかったと記憶するが、これまたIMDbの作品ページを覗いたら俺と他二人が「いいね!」ボタンを押してた。時間が経つと良かったかどうかの感覚すら変化するのでしょうか。

●6月23日(土)
 リュドミラ・ウリツカヤ『通訳ダニエル・シュタイン』読了。語学に担当なユダヤ人の若者が各種言語を操ることで他の人種として第二次世界大戦から現在までを生き延びて、やがて各地各時代で聖人のように人々を救っていく、という話だったように記憶するが、この読み方にはかなりの偏りがある、ような気がする。気がするが、あまりにも読み応えがあって(クレストブックスで上下巻)、確認のためにもう一回読もうという気にはなれません。ただとにかく俺自身は主人公ダニエル・シュタインを現代に蘇ったキリストとして描いているんじゃないか、と読んだ、のは確か、なはず。
通訳ダニエル・シュタイン(上) (新潮クレスト・ブックス) 通訳ダニエル・シュタイン(下) (新潮クレスト・ブックス)

●6月27日(水)
 新文芸坐でクリント・イーストウッド特集。一本目は『J・エドガー』。新たに部下を雇う場面で主人公とその部下が見つめ合うのが延々続くのは、実にはっきりゲイであることを観客にわからせるのには成功しているが、ほとんどギャグのような間である。実際にギャグかあれは。あと主人公が図書館を走り回りながら「この検索システムってぜーんぶ僕が考えたんだよ!」みたいにはしゃぐ場面が印象的だが、それにしてもいい歳して子どもみたいな負けず嫌いでくだらん強がり言いたがる人ってめんどくせえなあ、と思ってしまう傑作でした。
J・エドガー Blu-ray & DVDセット(初回限定生産) 


●6月29日(金)
 高階秀爾『名画を見る眼』読了。ここんところちょくちょく美術展に(友人に誘われて、だが)行くようになったのだが、やはり感じるままに見るということがうまくできない(おそらく感受性が鈍い)ので、理屈から入ったっていいじゃない、ということで本書を読んだ次第。で、やはり俺はこういう理屈からの方がいいなあと思うが、しかしすでにどんな絵画が取り上げられ何が書かれていたのかは忘れてしまった。まあ読んでる間はおもしろかったからいいか。
名画を見る眼 (岩波新書)

●6月30日(日)
 ザ・シネマで往年のSF映画ドキュメンタリー『ウォッチ・ザ・スカイ』鑑賞。しかし眠い目をこすりながらだったのか、超ぼんやりとしか覚えていない。えーと確か、ロジャー・コーマン的なB級SFを取り上げながらも、超大作SF映画の担い手として有名なスピルバーグとかルーカスとかキャメロンとか、そんな人たちがインタビューを受けていたように思います。『コーマン帝国』とあわせて鑑賞すると対比的によろしいかもしれない。

2012年8月6日月曜日

少しは仕事もしています

またも一か月ぶりの更新。しかし感想ブログとして運営しようという意志は継続しているので、前回分以降のおよそ二か月前に観たり読んだりしたものの感想、およびちょっとした出来事があれば日記も。

●6月3日(日)
 『ふくすけ』前売発売日で朝10時から電話をかけるがe+とチケットぴあが瞬時に売り切れ(電話つながったらその旨アナウンス)。しかしBunkamuraのチケットセンターは電話すらつながらず、もしもまだ残ってたら悔しいのでつながって売り切れの言質をとるためだけに何度も何度もかけなおしたところ、正午前につながってしかもまだ残ってたのですぐに買う。やはり公演会場は扱い枚数が多いのか。よかったよかった。

●6月4日(月)
 ウェブマガジン『夕刊ガジェット通信』で週一程度のペースで原稿を書くこととなり、その一本目「Facebookの招待メールをあなたも送っているかもしれない?」が公開。リアルタイムでのお知らせ記事も参照よろしく。他にも(本家の)『ガジェット通信』や、『NEWSポストセブン』『Searchina』『リアルライブ』『タクスポ』『@niftyニュース』などにも配信されているので、お見かけの際にはどうぞよろしく。
 なお、今回の記事はタイトルの「Facebook」を「Facecook」にしてしまうという誤字があり、『夕刊ガジェット通信』以外の配信メディアでは修正されきっていない可能性があります。見かけたら「ああ、誤字だな」と思ってそのまま流していただければ幸いです。

 DVDで『マイティ・ソー』鑑賞。『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』『アイアンマン2』から続く、『アベンジャーズ』につながる一本。が、うーん、なんだか順番におもしろさが落ちてくる気がするなあ。そもそもソーというヒーローも、その元ネタの雷神トールも知らないこともあるのかもしれないが、地球に落ちてきてからのお話の舞台が大通りしかない田舎町での大喧嘩といった印象で、まあ正直物足りない。そしてなにゆえケネス・ブラナーが監督してるのか。まあそれでも『アベンジャーズ』を観るためには避けては通れない内容ではあるんですけどね。
マイティ・ソー [DVD] 

●6月5日(火)
 DVDで『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』鑑賞。『マイティ・ソー』の次の、『アベンジャーズ』前哨戦の一本。『マイティ・ソー』よりぐっとおもしろい。おもしろいけど、『アイアンマン2』よりは落ちる。しかしこれで前哨戦5本を消化したので、次はいよいよ本命『アベンジャーズ』だ!
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー [DVD]

●6月6日(水)
 大泉学園駅南口にある元バイト先のレンタルビデオ店サンセットが閉店することになった、というのは以前書きましたが、その在庫セールで購入した中古VHS『伝染るんです。ビデオ』をようやく鑑賞。原作をそのまま忠実に映像化したところでうまく機能しないだろうから、このような大幅な脚色、というか映像作品用の独自の改変は歓迎です。それでいて吉田戦車本人が脚本書いてるので、やっぱりこの人わかってるなーと思う。早い話、忠実な映像化ではなくて、コントビデオ的な作りなわけです。と考えると少々笑いどころが少ないのが難点だが、まあありなんじゃあないでしょうか。もう一回観るかと問われると微妙だが。あと、映像作品として作りなおしてはいるものの、原作を知らないとよくわからないキャラクター設定とかあると思うが。

●6月9日(土)
 CS録画で『クレイジーズ』鑑賞。ロメロの初期作品『ザ・クレイジーズ』のリメイクだが、オリジナルは未見なので比較せずに感想を書くと、このリメイク版はそこそこおもしろいんじゃないでしょうか。しかし同じロメロの代表作『ゾンビ』のリメイク『ドーン・オブ・ザ・デッド』を意識しちゃってるのかなーと思うようなところも少々。たとえば冒頭、ジョニー・キャッシュの曲が流れる、とか。で、『ドーン・オブ・ザ・デッド』と比べると、リメイク対決としては『クレイジーズ』の敗北。オリジナルの『ザ・クレイジーズ』も観たいんだけど、近所のレンタル店で置いてあるの見たことないのよね。
クレイジーズ [DVD]

●6月11日(月)
 『夕刊ガジェット通信』にて担当記事「『ログイン相続人』がネット時代にますます必要!?」公開。リアルタイムお知らせ記事もよろしく。これ以降、リアルタイムお知らせ記事すらブログにアップしてないが。ツイッターでお知らせしております。

 美術鑑賞眼強化計画の一環で国立新美術館『セザンヌ―パリとプロヴァンス』。観てるのに、二か月近く経つと大幅に忘れてしまうのは、やはり美術鑑賞になれていないせいでしょうか。チラシを引っ張り出して画風を思い出すレベルだが、ひとまず写実よりは見やすいというか好みではあるなあ、と思った、ような気がする。

 で、帰宅後、自宅にある古いポータブル画集・世界美術全集(1979年/小学館)のセザンヌの巻を開くと、本には掲載されてるけど国立新美術館には展示されていなかったもの多数、そして展示されてたけど掲載されていないものも多数。作品選択の方針やその他の事情にもよるんだろうけど。でも代表作っぽい「赤いひじ掛け椅子のセザンヌ夫人」や「3人の水浴の女たち」などの実物がなかなか良かったと思えたので満足です。鑑賞眼は相変わらず低いと思うが。

2012年7月9日月曜日

美術と森さん

ブログをウェブ日記に再利用しようと思って早二か月以上。その間に日記として更新したのはたったの四回。とってもダメな感じであるが、ちょっとずつ追いつくようにがんばってみたいと思います。意気込みだけはある。しかし随分前の出来事というか随分前に観たり読んだりしたものの感想なのでどれもかなり短文だったり、場合によっては感想自体を忘れてたりするかもしれません。備忘録だからいいですね。

●5月22日(火)
 高階秀爾『誰も知らない「名画の見方」』(小学館101ビジュアル新書)を読む。ここんところどうにかしたいと思ってる美術音痴改善努力の一環として。やはり思うのは、「感じるままに鑑賞すればいい」と言われても困っちゃうよね、ということです。ということで初心者的にはカラー図版つきで見方のヒントを書いてもらえるこういう本がもっとたくさんあるといいと思う。あるのかもしれない。知らない。
Art 1 誰も知らない「名画の見方」 (小学館101ビジュアル新書)

●5月26日(土)
 日本幻想文学集成32『室生犀星 蜜のあはれ』(国書刊行会)読了。参加している読書会の課題本に表題作が選ばれたので、他の収録作もおもしろそうに感じた本書を選択。が、正直なところ、表題作自体はつまらなくはないけどさほどピンとこず。一応は、隠微な関係にある少女とおっさんが金魚と飼い主という体でやりとりしつつ話が進む会話劇、という解釈で読み、これってにっかつロマンポルノあたりで映画化されててもいいよなあ、なんてことを思ったのだが、それぐらい。むしろ同書後半に収録されている「火の魚」が良かった、このあと「蜜のあはれ」を読み返すといいかも、と読了日にツイートしてるのだが、読み返してないどころか肝心の「火の魚」がどんな内容だったかもう忘れてしまった。
室生犀星 蜜のあはれ (日本幻想文学集成)

●5月29日(火)
 森優子『旅ぢから』読了。快適に旅行するためのアイデアをあれこれまとめた本。過去の会社員時代に著者の森さんに仕事でお世話になっており、この数日後に森さんのトークイベントに行くことになっていたこともあって改めて読んだ次第。俺自身は基本的にバックパッカー旅行がメインなのだが(といってもかれこれ三年ほど旅行に出ていないのだが)、この本はどちらかというともうちょっとパックツアー寄り。とはいえ個人旅行でもこういう工夫してればもうちょっと快適だったよなーと思うアイデアも豊富で、自分の工夫しなさ加減を呪う。
旅ぢから

●5月31日(木)
 続いて森優子『買ってよかったモノ語り』読了。本人のみならず旦那さん、お子さんまでカバーに登場する家族全員参加の道具本。といっても本格的に生活を便利にするノウハウというより、森さんが近所を含む世界各地でみつけた道具への偏愛を語る、役に立つとは限らないエッセイ集。かき氷マシンのきょろちゃんが紹介されることで、幼少期に我が家にあったペンギンちゃんの氷かきマシンをおそらく30数年ぶりに思い出した。刃の部分が錆びちゃったので処分したと記憶する。
買ってよかったモノ語り

●6月1日(金)
 国立新美術館で『エルミタージュ美術館展』。相変わらずわからないままに美術鑑賞。年代を追いながらの展示なので絵画史をおおまかにとらえられる、気がする。写実は人の目に世界がどう写っているのか、ということに気づかせてくれるものだったのではないか、と思ったりする。けど結局その程度の感想だったりする。修行が足りません。また、個人的には写実的な絵画ってあんまり興味ひかれないなーということに気付くとともに、ここでは「20世紀 マティスとその周辺:アヴァンギャルド」に分類されるような作品が好みらしいことも少々見えてきました。この調子でいいのか、結局何もわかっていない≒見えていないのかはまだわからん。

●6月2日(土)
 おーくぎゃらりぃ明大前にて、旅行コラムニストにしてイラスト・エッセイストの森優子さんのトークイベント『がけっぷち欧州よどこへ行く?』。会社を辞めて12年、森さんともそれ以来の再開。まあとにかく変わっていないというか、12年ぶりなのに前より若返ったというか。相変わらず超元気な人でした。で、トークイベント。経済不安の続くヨーロッパを旅行者目線で語る、なんだかんだで日本も世界もまだどうにかなるんじゃないの?と思わせてくれる楽しいお話でした。同タイトルの森さんのトークショーはこの日だけでなくあちらこちらで開催しているので、時間のある方は足を運んでみるとよろしいと思います。詳しくは森さんのブログ『ゆらゆらくらげ日記』にて。と思ったら東京での講演は7月5日、大阪では7月7日で終了だった!いやしかしきっと森さんのことだから新たなテーマでのトークイベントを開催してくれることでしょう。期待してます。また行きます。

2012年6月12日火曜日

がっかりザッカー

●5月16日(水)
 小沼純一『ピアソラ』(河出書房新社)読了。最近図書館でアストル・ピアソラのCDをあれこれ借りて聴いている流れで読んだのだが、大まかにピアソラをとらえる部分はいいんだけど、冒頭の著者によるピアソラ論がなんとも気取りすぎな気がしてなりません。全編その気取りが徹底されているのならそれはそれでいいんだけど、解説に該当する章も半分ぐらいあり、ピアソラについてどうこうというより本としてのバランスが微妙だと思う。しかし他のピアソラ本に比べると薄くて解説の章の内容が他より手頃だとは思うので、ざっと把握したいならこの本の一部を読むと良いかと思われる。
 ちなみに私は『12モンキーズ』のえらくかっこいいオープニング曲がピアソラの「プンタ・デル・エステ組曲」だと割と最近知ってあのかっこよさを味わいたくてCDに手を伸ばしたのだが(正確には『12モンキーズ』で使用されているのは同曲の冒頭を引用したポール・バックマスターによるアレンジ版)、「プンタ・デル・エステ組曲」全部が入ってるCDが我が自治体の図書館にはないのよね。ピアソラがかかわった映画音楽を収録した『ピアソラ オリジナルサントラ集』に第一楽章だけ入ってるけど、ちゃんと全曲聴きたいのです。ならば買うべきだということはわかってはいるんです。
ピアソラ ピアソラ オリジナルサントラ集
12モンキーズ [Blu-ray] 12モンキーズ [DVD]



●5月17日(木)
 石川真之介『マンガ量子力学』(講談社ブルーバックス)読む。先日ヒストリーチャンネルでたまたま「万物と無の謎に挑む アルカリーリ教授のサイエンス・レッスン」を見て、よく理解できないながらもおもしろかったので、量子力学ってなんなのかと入門書を探して読んでみた。が、うーん、ぼんやりわかったようなわかんないような、結局のところこの入門書を理解するための前提となる最低限の知識をまず持っていないなあ俺は、というところで、やっぱりきちんとは理解できないのであった。あと、入門書としてはがんばってるとは思うけど、肝心のマンガがあまりうまくないのが残念でありました。理解できないのはマンガのせいじゃなくて俺の前提知識がなさすぎるのが原因だと思うけど。
マンガ 量子力学―この世を支配する奇妙な法則 (ブルーバックス)

 藤沢周『ブエノスアイレス午前零時』(河出書房新社)。これもピアソラの流れでタイトルだけで手に取った本。表題作は田舎の温泉宿を舞台に諦観していた主人公が感覚的にわかりやすいハードボイルド精神を発揮するまでのお話。しかしこの作品、芥川賞受賞作なのよね。そういうブンガク的側面もあるといえばあるけど、芥川賞って(完全に俺の偏見だけど)もっとこう、なんというか、違うモノのような気がする。絶対間違いなく俺の偏見だと思うけど。
 むしろ後半に収録されている「屋上」の方が芥川賞受賞作だよと言われたらそうかと思っちゃいそうな作品だと思う。ラスト近くで主人公が貧血を起こして倒れる場面の描写は、小学生時代に一度だけ朝礼の最中に貧血で倒れそうになった経験のある俺としてはかなり真に迫った文章だと思いました。
ブエノスアイレス午前零時

 DVDで『最終突撃取材計画!』鑑賞。『フライングハイ』の、『裸の銃を持つ男』の、そして何より『トップ・シークレット』の、画面のどこかしらで物語文法を無視してひたすらバカなことが行われているタイプのコメディ映画の生みの親ZAZの一員デヴィッド・ザッカーの最新作ということで、それなりに楽しみにしつつ(でも『裸の銃を持つ男2 1/2』のつまらなさにがっかりしてからさほど期待はせずに)観た。観たのだが、『裸の銃を持つ男2 1/2』をはるかに上回るがっかり。笑えるギャグがあるかどうかという点でいえば『裸2』よりはマシなんだけど(その後の『ベースケットボール 裸の球を持つ男』とはだいたい同じレベル)、とにかくがっかりしてしまったのは、この映画、もう露骨にアメリカ共和党寄りの思想に貫かれた作品なのである。つまりはブッシュ的なわけである。
 もちろん誰がどういう思想を持っていようと自由なんだけど、デヴィッド・ザッカーの作品や、ジェリー・ザッカーやジム・エイブラハムズと一緒に撮っていた作品群が好きなのは、そのくっだらないギャグ自体が好きなのが一番ではあるけど、同時に硬直した考え方やモノの見方を破壊してくれるバカバカしさに共感するところがあったのも大きな理由のひとつなのです。というか、そう思い込んでいたのです。なのにさー、この映画、右寄り思想を持ちあげといて最後は落としてくれるんでしょ?なんて思ってたら、最後の最後まで排他的思想に満ちたアメリカ万歳映画なのである。なんだこりゃ。
 同じアメリカ万歳コメディであっても、例えばジョン・ランディスがいいのは、多様性を受け入れるアメリカ万歳という博愛思想が見えるし、そうでないことに対する怒りが見え隠れするところだ。例えば『ブルース・ブラザース』は徹底的に陽性なコメディながら、差別主義者のナチだけは劇中で死を迎える。しかも彼らが確実に忌み嫌うであろう仲間からのゲイ告白という嫌がらせ付き。不寛容に対してだけは絶対に寛容でいられない。
 こういう視点があるからこそ俺はアメリカンコメディが好きなんだろうけど、しかしデヴィッド・ザッカーが正反対の思想を打ち出しちゃってもう超がっかり。
 だからといって彼らの作品で最も好きだった『トップ・シークレット』まで駄作扱いするつもりはないけど、でもなあ、俺が気付いてないだけで実は排他思想に満ちた映画だったりしてな。『裸の銃を持つ男』のラスト、野球のスタジアムで事件解決後、観客が隣の席の人々と宗教人種を超えて抱き合う場面とか、ギャグなのに感動的だったんだけどな。
最終突撃取材計画! [DVD] フライングハイ [DVD] トップ・シークレット [DVD] 裸の銃を持つ男 [DVD] ベースケット・ボール/裸の球を持つ男【ユニバーサル・セレクション1,500円キャンペーン2009WAVE.1】 [DVD] ブルース・ブラザース [Blu-ray]